北欧、郊外にそそり立つ巨大な団地群。背後にはうっそうとした森林が残っている。住民の多くがバカンスに出かけてヒトの少ない夏の初め、ここに9歳の少女イーダとその家族が引っ越してくる。
イーダは遊び盛りだが、自閉症で言葉を発せない姉アナの面倒を見なければならない。ときにはその欲求不満を告げ口できないアナにぶつけることも…。
そんなイーダが知りあった二人の友達、ベンジャミンとアイシャ。ラテン系の少年ベンジャミンは意思の力でモノを動かしたり壊したりすることができ、インド系の少女アイシャは、クチをきかないアナと感情や思考を共有することができた。
しばらくは良い関係を築いていた4人だったが、家庭に複雑な事情を抱えるベンジャミンが徐々に粗暴な行動を見せるようになる。自らの力で他人を傷つけ、遂には…。
これは大傑作、なんというか、いわば「シン・童夢」です。監督も大友克洋の「童夢」にインスパイアされてこのシナリオを書いたらしい。