デビルズ・ノット アトム・エゴヤン監督

 1993年5月,アーカンソー州の田舎町ウエスト・メンフィス。自転車に乗って遊びに行った8歳の男児,スティーヴィー,クリス,マイケルの3人が行方不明になった。翌日,警察は住民の協力を得て彼らが入ったとされる通称ロビンフッドの森を捜索し,川の中から3人の遺体を発見。遺体には靴ひもで縛られたうえひどく殴られた痕があり,なかでもスティーヴィーの死体は性器を切り取られた凄惨な状態だった。

 数週間後,警察はオカルトに興味を持ち,ヘヴィメタル音楽のファンである3人のティーンエイジャー,ダミアン(ジェームズ・ハムリック),ジェイソン・ボールドウィン(セス・メリウェザー),ジェシー・ミスケリー(クリストファー・ヒギンズ)を逮捕する。この札付きの問題児たちが,3人の子供を使って悪魔信仰の儀式をしたというのだった。

 犯行を否認する少年たち。しかし警察は軽い知的障害を抱えるジェシーに的を絞ってあの手この手の脅しをかけ,ついに「自白」を引き出してしまう。そのうえ違法薬物所持で警察に目をつけられていたヴィッキー(ミレイユ・イーノス)の息子アーロン(ジャック・コフラン)が,殺された3人と一緒にいてダミアンにスティーヴィーの血を飲まされたと証言し…。

 事件はやがて,衝撃的な猟奇殺人事件として全米で話題になる。その報道に触れ,警察の捜査方法に対して疑問を抱いた私立探偵ロン・ラックス(コリン・ファース)は自ら弁護団の調査役を買って出る。また,殺されたスティーヴィーの母親パム(リース・ウィザースプーン)も,あるきっかけで真犯人が他にいるのでは,という疑惑を胸に秘めるように。

 うーん。こんなこと言ったらなんなんだが,例えばあの「ミシシッピー・バーニング」のモデルになった事件はオレが3歳のとき(1964年)である。ところが1993年ったらもうオレが32になった年だからね。既に何度も渡米してたし。いくら田舎の話とはいえ,当時まだ(いや今も?)こんな差別と偏見まるだしの司法手続きが行われていたのかと思うと戦慄を禁じ得ないよなぁ。

 実際の事件の概要をお知りになりたい向きはWikipediaで「ウエスト・メンフィス3」を検索されるとよろし。


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