レザーフェイスー悪魔のいけにえ ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ監督

 どうも「悪魔のいけにえ」と言う題名は覚えていても,主人公(?)である怪人レザーフェイスと,他のホラー・シリーズ「13日の金曜日」のジェイソンとか,「ハロウィン」のブギーマンとか,と区別がつかないヒトが結構多いらしい(同じ殺人鬼でも「チャイルド・プレイ」のチャッキーだけはちゃんとみんな区別できる。当たり前か)。

 1974年公開の第1作「悪魔のいけにえ」(日本では1975年だった。原題は「The Texas Chain Saw Massacre(テキサス・チェーン・ソー大虐殺)」)は,テキサス州に里帰りした5人の男女が道で拾ったヒッチハイカーに導かれて彼の弟である殺人鬼レザーフェイスの元におびき寄せられて殺される,と,まぁ言っちゃえばそんだけの話である。

 それがなんでまた製作費の400倍もの興行収入を稼ぎ出し,40数年経過してなお続編が作られるようなヒット作になったかと言えば,やはり主人公レザーフェイスの異様な恐ろしさだろ。あまりにも残虐な描写ゆえに全米で上映禁止になったことが逆宣伝になっちまったとよく言われるがそれだってモトをただせば「レザーフェイスのやること」の描写なんだから。

 本作は「悪魔のいけにえ」シリーズの最新作(8作目)であり,まぁ最近流行の「前日譚」である。つまり主人公は「まだレザーフェイスになる前の彼」。これは,一族で殺人を趣味(?)としている異常な家に生まれた少年が,如何にして一族の歴史でも出色の殺人鬼になったのか,と言う映画である。

 1954年。5歳の誕生日にプレゼントとしてチェーンソーを渡され,それで目の前の縛られた男を殺すよう命じられた少年。彼はその命令を拒むのだが,まもなく発生したある事件のため,親元から離され青少年専用の更生施設に送致される。この措置を不服とした一家は息子を取り返すべくあらゆる手を尽くすが成功しないまま10年の時が流れる。

 1964年,ある計画を胸に施設を訪れた母親。彼女の常軌を逸した行動が引き金となり,もともと精神に問題を抱えた収容者たちの暴動が発生。混乱の中,新米看護婦一人リジー(ヴァネッサ・グラッセ)を人質とした4人の若者が施設を脱走する。アイク(ジェームズ・ブルーア),ジャクソン(サム・ストライク),バド(サム・コールマン),クラリス(ジェシカ・マドセン),彼らはどこへ向かうのか…。そして彼らのうちの誰がレザーフェイスに…? しっかり怖いよ,ホラー好き必見。


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