カナダ。ナイアガラ・フォールにほど近いオンタリオ州の小さな町。不況に喘ぎながら小さな造園会社を営むマシュー(ライアン・レイノルズ)の自慢の娘,フィギアスケートでオリンピックを目指していた娘キャス,当時9歳が誘拐されてから8年が経とうとしている。
それはスケートの練習の帰り。いつものようにダイナーに寄ってパイを買ってクルマに戻ったマシューは後部座席に寝転がっていたキャスの姿が見えないことに気づく。周囲を探し回っても見つからず,警察に連絡するも新任の捜査官コーンウェル(スコット・スピードマン)が最初にしたことはマシューの虐待を疑うことだった。
事件がきっかけで別居状態となった妻ティナ(ミレイユ・イーノス)が働くホテルの一室,彼女が清掃を担当する部屋にある日,娘が使っていたのとそっくりのヘア・ブラシが置かれていた。ティナは「客がよく似たものを忘れただけ」と思おうとするが,次には娘がスケートで獲ったトロフィー…しかしそれを誰にも言えず。
同じ頃,8年の間この事件を追い続けていた刑事ダンロップ(ロザリオ・ドーソン)は,児童誘拐のトラップであると疑われているSNSサイトで,成長したキャス(アレクシア・ファスト)が子供たちの相手をしているのを発見する。「キャスが生きている!」マシューから その報せを受け取ったティナがホテルで起きたことを明かすと,その部屋から隠しカメラが発見される…。
地味だがまごうことなき傑作である。是非ご覧あれ。