驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる! A・J・ジェイコブズ著

 世界一頭のいい人間になろうとして(つうのはまぁ半分冗談だが)世界に冠たる「ブリタニカ百科事典」全32巻,実に3万3千ページを読破した「エスクァイア」編集者の…読書日記というんですかね,読んでるのがブリタニカでも。 

 なんでもこのジェイコブズ氏,子供の頃は自分を「世界で一番頭がいい」と思ってたんだそうで,それが35歳になった今,知的レベルの低下は目を覆うばかり。そこで一念発起してこの壮挙……というか暴挙に乗り出した,とこういうわけなんだが……。 

 ブリタニカを読み進むまま,その見出し語(まぁ一部だが)をタイトルにして短いエッセイを綴りました,という体裁。覚えたばかりの知識をひけらかしては妻や同僚にヘキエキされ,頭が良くなったかと「高IQ者クラブ」(こういう嫌らしいモノがあるんだ,アメリカには)にも入会する。

 そしてついに,勉強の集大成として,あのみのもんた(そう言えば復帰は難しそうだねぇ)の番組のオリジナル(?)であるクイズ番組「クイズ・ミリオネア」に出演する。果たして彼は「世界一頭のいい人間」になれるのか!?

 いかにもユダヤ系アメリカ人っぽい屈折した傲慢さみたいなのが鼻につくトコロもあるんだが,それはそれとしてなかなか楽しい読み物。あ,読んで頭が良くなる(かもしれない)のは 「ブリタニカ百科事典」全32巻であってこの本ではないので誤解のなきよう。

 あ,ところでこの本,オレが持ってる文春文庫のコシマキには「映画化決定!」とあったのだが,その後映画になったという話を聞かない。どうなったんだろ?


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