上映時間2時間41分と知ってちょっとビビったが杞憂,よどみ,たるみ全くなし。テレビドラマの影響か,甘ったるい恋愛映画みたいなのが増えてきた印象だった韓国映画だがこいつはひさびさのメガトン級。
物語の発端は1978年,キリスト教系カルト,サムドク祈祷院のある山村に現れたベトナム帰りの元兵士ユ・モッキョン(ホ・ジュノ)は,その穏やかな話しぶりで祈祷院の信者たちの尊敬を集める。
教団からの上がりを横取りされるのではと警戒した院長は金で動く刑事チョン・ヨンドク(チョン・ジョエン)に手を回してユを逮捕させるが,刑務所内に送り込んだ刺客たちさえ間もなく崇拝するようになった彼の能力に目をつけたチョンはユにある計画を持ちかけるのだった。
30年後,自分に暴力事件の罪を着せようとした検事に逆襲したものの,そのあおりで妻子に逃げられたばかりのユの息子ヘググ(パク・ヘイル)のもとに20年も音信不通の父親モッキョンが死んだという報せが入る。葬式のため村を訪れた彼は,村長を務めるチョンとその3人の取り巻き,ソンマン(キム・サンホ),ソンギュ(キム・ジュンベ),ドクチョン(ユ・ヘジン)に歓待を受けるが,その実彼らが自分を早く追い出したがっているのを感じる。
父の死の裏になにか秘密があるのではと疑い始めたヘググは,村で唯一人の女性ヨンジ(ユソン)の経営する雑貨店に宿泊し,父の遺品を調べ始めた。そしてある事を知り,宿敵である検事パク・ミヌク(ユ・ジュンサン)に連絡を取るのだが……。
原作は韓国で大人気を博したウェブ・コミックで映画も340万人を動員した大ヒット作だそうだがそんだけのこたぁある。とにかくこれ,傑作であります。