やあ。思い出してもいい映画だったなぁ。もともとは監督のキーレン・パンが書いて演じていた独り芝居なんだそうだが,チャンスがあればそれも観てみたい。中国語わかんないけど。
舞台は2005年の香港,30歳を目前にしたクリスティ(クリッシー・チャウ)は化粧品会社に勤めるキャリア・ウーマン。結婚という話題になるとちょっと微妙な空気が流れるものの恋人もいるし,憧れの女社長に認められて昇進したばかり。
ところがこの昇進が思わぬストレスの種に。肩に重たくのしかかる重責,部下を束ねなければならないストレス,連夜の残業,いつしか心は余裕を失い,ようやく会えた恋人とも口論。しょげかえって部屋に戻ると大家がいて,突然だが家を建て替えることになったので退去してくれと。
仮住まいとして大家に紹介されたのは,彼の甥の友人であるティンロ(ジョイス・チェン)という女性の部屋。パリに旅行中の1ヶ月間,部屋を使わせてくれる,という彼女はクリスティ宛てにヴィデオ・レターを残していた。
そのヴィデオの中のけして美人ではないが元気で天真爛漫なティンロの様子に,徐々にささくれた気持が癒されていくクリスティ。続いて見つけたティンロの自伝風の日記を読むと,なんと彼女はクリスティとまったくおなじ日に生まれていて…。
このティンロって女の子が可愛いのだ。
いや,上に書いた通り全然美人ぢゃないし太ってるしオタクだしアレなんだが,話が進むにつれてもう愛おしくて愛おしくてたまらなくなる。是が非でもこの娘に幸せになってもらいたい,と思ってしまうのはオレの年齢からすると娘みたいな気がするからかなぁ。
とにかくもうすぐ29歳になるヒト,それからかつて29歳であり,そのことをまだ忘れていないヒトには間違いなく響く映画だよこれは。