先日読んだ「悪の猿」の続編。三部作の真ん中である。
四ヶ月前、CSIの職員ワトソンを演じていた「四猿事件」の犯人アンソン・ビショップを取り逃がしたシカゴ警察の刑事サム・ポーターは、ビショップに拉致され監禁される悪夢に悩まされながら、新たに発生した少女連続失踪事件の捜査に当っている。ビショップはサムの妻を殺した男の耳を切り取って送り付けてきた。「母を探すのを手伝ってくれ」というメモと共に。
最初の少女失踪から三週間後、公園の池で行方不明だった少女の遺体が発見される。なんとその遺体は二か月も前から氷結している池の氷の中に入っていた。犯人は池の氷を切って少女の入る穴を開け,そこに彼女を沈まないように固定して再び氷結させていた…。何のために? しかも彼女は明らかにサイズ違いの、次に行方不明になった別の少女の衣服を着せられていた。何のために?
手口も違い、当初ビショップに関係ないと思われるこの事件を追いながら、サムはワトソンとして勤務していたビショップが、自身の被害者たちのリストを観て、ある一人の女性だけが他と違う髪の色、他と違うタイプだと指摘したことを思い出す。ひょっとしてあれだけはビショップの犯行ではないのか?
その疑問を解くため、出入を禁じられたFBIのオフィスから彼女の資料を持ち出したことが露見しサムは停職処分に。そんな彼にビショップから一枚の写真が届く。囚人服を着て連行されていく女の写真。壁には「ニューオーリンズ刑務所」とあり、「ようやく彼女を見つけましたよ」と書かれていた…。
面白い面白い。事件も舞台も錯綜して追いかけていくのがタイヘンなんだが追いかけていくのを辞められない。しかし冒頭に書いたようにこれ、三部作の真ん中なんだよね。「スター・ウォーズ」で言えば「帝国の逆襲」。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で言えば「2」のビル・タネンの絶頂である。当然最後はこういう終り方になるよなぁ。完結編「猿の罰 」を読まねば。
