「四猿」三部作の掉尾,完結編である。
捜査をFBIが引き継いだのと呼応するかのように、四猿事件は信じられない展開を見せる。研究所から盗まれたウィルスに感染したという疑いで、クレアとクロズ二人の刑事が他の病院関係者と共に隔離され、誰も出入りしていないはずの病院内で新たな死体が発見される。しかし容疑者ビショップは警察に連絡、自分は無実だと自首を申し出る。
そして定職の身のまま、かつて自分が四猿殺人犯から救出したエモリーの協力を得て事件を追う刑事ポーター。彼には十数年前、チャールストンでの巡査時代に銃で撃たれて重傷を負った過去がある。後遺症として逆進性健忘が残り、撃たれた時点から数日前の記憶がなかった。その空白を埋めるかのように、少年時代のビショップと彼が一緒にいる写真が発見される。
この写真とビショップの証言により、一転すべての事件の容疑者とされたポーターの足取りを追うFBI捜査官プールは、チャールストン時代のポーターの同僚、ヒルバーンを訪ねる。ヒルバーンはその後自ら命を絶っていた。未亡人が放置していたガレージのクルマの中にはポーターのバッグと古い死体が…。
細部を詰めていくとちょっと「あれ?」ってところもあるよな気がするんだが、圧倒的な物量(情報量)でごまかされてしまう。ずっとジェットコースターに乗ってる(乗らされている?)ような感覚のあと、結末のビターな感じは悪くない、かな?
