「フレディ vs ジェイソン」,共に長寿を誇るホラー・シリーズ「エルム街の悪夢」と「13日の金曜日」の主役同士の対決である。
監督はあの「チャイルドプレイ/チャッキーの花嫁」のロニー・ユー,このいわば「ゴジラ vs ガメラ」みたいな企画をよくぞこれだけちゃんとした映画に仕上げたもんだと感心した。いや,ゲテモノ…はゲテモノだけどさ,相当面白いゲテモノです,これ。
夢の中の悪魔フレディ・クルーガー(ロバート・イングランド)が最後に「活躍」した事件から10年,役所や警察が徹底的に情報を管理したことが功を奏し,いまやスプリングウッドの街に彼の名を知る子供はいなくなっていた。
忘れられては悪夢を見せることができない,悪夢を見てもらえなければ人を殺せないフレディは,クリスタルレイクに眠る殺人鬼ジェイソン・ボービーズ(ケン・カージンガー)の夢に現れ,母親に化けて彼を覚醒させる。ジェイソンにスプリングウッドを襲わせその恐怖で自分の名を思い出させようというのである。
作戦は成功,ジェイソンが起こした殺人の現場を見て,警官の一人がついフレディの名を口走ってしまう。これを聞きとがめた高校生のローリ(モニカ・キーナ)たちは早速フレディの術中に。眠ればフレディに殺される。
起きていれば…いや寝てても可能性はあるけどとにかくジェイソンも襲って来るという絶体絶命。ところが,やがて自分の獲物をジェイソンに殺されたコトにフレディが激怒(ちょっとその怒りはスジ違いだろって気もするが)。悪魔と殺人鬼の最終決戦が始まる!!
いや思わずビックリマークを2個も重ねてしまいましたが,この映画のよく出来てるところは双方の過去の設定を出来る限り裏切らないようにしてるとこ。フレディに殺された子供達のファイルとか,生前(?)のジェイソンが湖に投げ込まれる時の情景とかをきっちり再現している。
こういう種類の映画は固定客(オレのようなヒトですが)も多いので,設定上の裏切りが過ぎるとシラケてしまうんだよね。その辺のバランスが良好。これが何人目のジェイソン役者だかわからないが,おそらく身長2mは下るまいと思われるケン・カージンガーの「ジェイソン的動き」も吉。