宇宙人ポール グレッグ・モットーラ監督

 目黒シネマの最終日になんとか間に合った作品。監督はグレッグ・モットーラ…でもこの映画は監督より脚本・主演の2人。サイモン・ペッグとニック・フロスト。あの「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」のバカ・コンビである。

 今回彼らが扮するのは,念願だったアメリカ旅行にやってきたロンドンのおたくコンビ(「扮してねぇぢゃん」という意見はまぁその通りだが)グレアム(ペッグ)とクライブ(フロスト)。西海岸で行われたコミコンを皮切りに,キャンピングガーを借りて中西部に散在するSF名所(ロズウェルとかエリア51とか)を歴訪する計画。ところがエリア51近辺のハイウェイで交通事故に遭遇し,クルマに乗ってたポールと名乗るエイリアン(声はセス・ローガン)と道連れに。

 60年前,故障した円盤で地球に不時着してから今日までずっと基地に閉じ込められて籠のトリだったというポール,姿カタチこそタブロイド新聞のエイリアン(本人がモデルなんだから当然だ,と彼は言うが)で,姿を消したり死んだ小鳥を蘇らせたりもするものの,話す中身は典型的なヒッピーおやじ。マリファナ大好き,下品な言葉遣い。サブカルチャーに造詣が深く,「E.T」で出て来るヒーリングのアイディアはスティーブン(スピルバーグ,本人が電話の声で出演)と話しててオレが出したんだとか…。

 とにかくそんな彼の逃避行に手を貸すことになったおたく2人,途中からキリストおたくの家出娘ルース(クリスティン・ウィグ)が加わった3人は,ポールを狙う政府機関のゾイル(ジェイソン・ベイトマン)とその部下のデコボコ・コンビ,オライリー(ジョー・ロー・トゥルーグリオ)とハガード(ビル・ヘイダー),それに娘を取り戻そうと言うルースの親父モーゼス(ジョン・キャロル・リンチ)の追跡をかわしつつ,ポールの仲間が迎えに来るという「あの場所」へと急ぐ…。

 いやぁ傑作傑作,過去のSF映画,ドラマのパロティ(オマージュってのか?)満載。いくつ分かるかって歳がばれるが,古くは「宇宙大作戦」の「怪獣ゴーンとの決闘」から「バビロン5」の宇宙人あり,日本ではあまりメジャーにならなかった(地上波では放送されなかったと思う)「ロズウェル」とかのTVドラマネタから上にも出てきたが「E.T」や「未知との遭遇」「メン・イン・ブラック」そしてもちろん「スター・ウォーズ」。

 そして最後に控えたビッグ・サプライズはゾイルらを顎で使う政府機関のボス,ザ・ビッグ・ガイの正体。ま,これは書かないでおきましょう。観てのお楽しみであります。


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