別にあの「宇宙怪獣ギララ」の続編でもないらしいのだが…。監督はあの「日本以外全部沈没」の河崎実監督。
2008年,G8の首脳が集う洞爺湖サミットを取材中の東京スポーツ(実名だ!)の記者・隅田川すみれ(加藤夏希)は,相棒のカメラマン・三平(加藤和樹)と共に湖畔の森で道に迷い,古ぼけた神社の境内で奇妙な踊り(ネチコマネチコマと叫びながら鼠蹊部のあたりで腕を上下させる)を繰り返す人々に遭遇する。
同じ頃,札幌市内に中国が打ち上げた宇宙船AACβ号(オリジナルへのリスペクトが感じられる船名だ)が墜落。付着していた物質から怪獣ギララが出現する。サミットのホストである日本国首相・伊部(福本ヒデ)は,各国首脳に安全のため即刻帰国するよう要請するが,首脳たちは「ここに残って怪獣と戦えば支持率アップだ」と,サミットをギララ攻撃の作戦司令部にしてしまう。
かくして地球防衛軍日本支部長・鳴海(夏木陽介),同参謀の木村(黒部進),高峰(古谷敏)は,各国首脳発案の珍妙な作戦を遂行せざるを得なくなるのだが…。
宇宙からの大怪獣の襲来が古い神社の古文書に予言されており,そのご神体が祈りによって目覚めて怪獣と戦う…という,もう何度観たか分かんないようなプロットを思い切り茶化した演出は…いや,好き嫌いはあるだろうが河崎実の面目躍如。ヴェネツィア国際映画祭の出品作品としてレイトショー上映され大ウケし,Wikipediaによれば「国内より海外での評価が高い」とか(ってこれ誰が書いてんだ?)。
ま,とにかく,シナリオは1967年のオリジナルよりずっとマトモであります,ホント。