俳優の娘として生まれたドミノ(キーラ・ナイトレイ)は,その美貌でファッションモデルなども経験しながらその世界に馴染めず,自ら賞金稼ぎの世界に入る…。ここでちょっと解説が必要だろうな。
オレもこの映画で初めて知ったんだが,この賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)というのはつまり保釈金がらみの借金取りみたいなもんなのである。アメリカには犯罪者に保釈金を貸し付けるという商売があり,例えば1万ドルの保釈金だとすると犯罪者はその1/10をこういう業者に払って残りの9割を出してもらう。彼がちゃんと裁判に出頭すれば保釈金は返還されるから業者は1割の儲け。だが犯罪者が逃げることがあり,そうなると大損なのでこれを捕まえるために「賞金稼ぎ」と呼ばれるプロがいるわけ。
で,この映画はその賞金稼ぎとなった美貌の娘ドミノが,相棒のエド(ミッキー・ローク),チョコ(エドガー・ラミレス)と供に保釈金業者のクレアモント(デルロイ・リンドー)が仕組んだ現金強奪事件に巻き込まれ,マフィアに命を狙われるというかなりはちゃめちゃな(でも実は,かなりの部分実話らしい)話なんである。
「ビバリーヒルズ青春白書」のスター,イアン・ジーリングとブライアン・オースティン・グリーンが本人役で出演したり(ドミノはこのドラマに象徴される世界を嫌悪しててイアンの鼻を折ったりする),トム・ウェイツがいきなり現れて神の福音を説いたりと楽しめるヒトには楽しめると思うが,iMDBなどでもそれほど評価が高くないのはなんでかねぇ。あまりにも暴力的過ぎるってことかしら。いや,オレはすげぇ面白かったです。