「空手バカ一代」である。「巨人の星」「あしたのジョー」「タイガーマスク」「柔道一直線」そしてこの「空手バカ一代」と,毀誉褒貶あれど(オレも一時毛嫌いしたが)オレ等昭和30年代生まれの少年時代は梶原一騎抜きに語ることはできないわなぁ。
昭和27年,東京でヤクザの用心棒をしながら各地の空手道場に殴り込み,道場破りのようなことを繰り返していた大山倍達(千葉真一)は,プロモータのトッド若松(南利明)の誘いに乗り,米軍占領下のオキナワでプロレスの試合に出ることになる。
パートナーは地元のプロレスラー・グレート山下(室田日出男)と講道館六段の柔道家・藤田修造(本郷功次郎)。彼らは巨漢の米国人レスラー相手に無様に負けることを期待されていたのだが,ついカッとなって本気を出し相手をのしてしまい,契約違反を問われてお払い箱に。
戦災孤児のグループと知り合い,大道で瓦割りなど見せて糊口をしのいでいた大山は,ある日孤児の一人の姉である娼婦・麗子(夏木陽子)が自殺しようとしているのを止める。敗戦と共に生きるために娼婦になった彼女は大山達が出たプロレスの興行主でもあった地下組織の元,結核に冒されて身体がぼろぼろになるまで客をとらされていた。
大山は麗子のために高価な特効薬ペニシリンを入手すべく,組織のボス劉鳳厳(内田朝雄)に詫びを入れて再度リングに立つが,相手は最初から大山を殺すつもりでいたのだった…。
いやぁ随所に「燃えよドラゴン」のパロディというかパクリ…しかもそれがまた安っぽいんだ,満載のB級映画だが,それにも関わらず千葉真一がかっこいいのが凄い。米国人レスラー役で(もちろん全然そうは見えないんだけどさ)鶴見五郎とスネーク奄美の顔が見えるのも懐かしい。これがアマプロで観られるとは。