キングダム4:大将軍の帰還 佐藤信介監督

 前作「運命の炎」のラスト、勝利を祝う信(山﨑賢人)達を襲った謎の人物、趙国の総大将・龐煖(吉川晃司)だった。自らを「武神」と称する彼に戦いを挑んだ信は昏倒、羌瘣(清野菜名)も重傷を負う。飛信隊の部下たちは趙軍の追撃から信の命を守りつつの脱出劇を演じるハメになり、信の幼なじみである尾到(三浦貴大)他、部隊の約半数を失うことに。

 なんとか大将軍・王騎(大沢たかお)の元に帰還した信達は趙軍との決戦に臨む。が、王騎の指示を無視した蒙武(平山祐介)の突撃が裏目に出て、王騎は超軍包囲のなか敵将・龐煖との一騎打ちに。この二人には九年前の戦で王騎の妻になるはずだった女将・摎(新木優子)を巡る因縁があった。

 この戦いの一部始終は、先年北方における戦で遊牧民族匈奴の十万人を殺戮した趙の軍使・李牧(小栗旬)の思惑取りだった。彼の目的は戦の勝利ではなく王騎の殺害。それを達成すると侵害した領地をあっさりと放棄して趙軍は撤退。秦王・嬴政はその手腕に新たな恐怖を感じる…。

 王騎将軍の死というのは確かにこの物語としては大事件なんだが、秦の中華統一劇の中で見ればそれほど大きな事件でもなく、この趙との戦争も規模としては「小競り合い」という感じなので映画的スペクタクルに欠ける。龐煖 vs 王騎の決戦をどんだけCGで飾り立ててもちょっとその辺は苦しい。

 原作の漫画を読んでないので(あの絵柄がちょっとダメなんだよね、オレ)確かなことは言えないがこれ「スター・ウォーズ」で言えば「帝国の逆襲」なんだろうか。無理に長澤まさみや橋本環奈の出番を作るより、この時の趙側の内部事情を描くほうが面白かったんぢゃないかなぁと思うが。てな話とは別に、おれはそういうことにメクジラ立てるタイプではないがこれをこのまま史実と信じてしまうヒト、いないよね? いやXとか観てるといそうだよね。困ったなぁ。


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