スコットランド,グラスゴー近郊の小学校に,耳の不自由な少年フランキー(ジャック・マケルホーン)が転校してくる。母親のリジー(エミリー・モーティマー),祖母のネル(メアリー・リガンズ)と3人暮し。
リジーと離婚した父親は世界を回る貨物船の船員,フランキーは決まった私書箱宛に手紙を書いて父親と文通を続けている。ある日フランキーは友達から,自分の父親が乗っている船が近くこの町の港にやってくることを知らされる。「パパが逢いに来てくれる!」彼の期待は大きくふくらむ…。
だが真相はこうだった。フランキーの父親でリジーの元夫であるデイヴィー(カル・マカニンク)は家族に暴力を振るう男でフランキーの耳が不自由なのも彼の暴力が原因,リジーはまだ幼いフランキーを連れて彼の元から逃げ出したのだった。
フランキーと文通をしているのはもちろんリジー,しかし「架空の父親」が乗っているはずの船がやってくるのは彼女にとっても誤算だった。思い余った彼女はフランキーの父親を演じてくれる男を金で雇おうとする…。
それにしても子供をネタにしたイギリス映画って佳作が多いよなぁ。ちょっと思い出しても「ミリオンズ」,「シーズン・チケット」,「ぼくの国,パパの国」など…。で,この映画もこれらに負けず劣らずの傑作であります。