藤子・F・不二雄に「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」というSF短編の傑作がある。やたら正義感が強く投書マニアのサラリーマン句楽兼人(「オバケのQ太郎」でラーメンばっかり食ってたコイケさんが主演)がある日,スーパーマンのような力を得てしまう。
正義の味方ウルトラ・スーパー・デラックスマンとして悪と闘っているうちは良かったのだが,そのうちみんな彼の容赦のなさを恐れて悪事をしなくなり…という話なんだけどね。
この映画の主人公Gガールことジェニー・ジョンソン(ユマ・サーマン)も,コイケさん,ぢゃなかった句楽兼人氏ほどではないもののちと性格に問題があるスーパーヒーロー。
建設会社に勤める独身男マット(ルーク・ウィルソン)が地下鉄でナンパしたキュレーターのジェニー。しかし彼女の正体は実は正義の味方Gガールだった。最初こそ彼女とのスーパーパワーセックスを楽しんでいたマットだったが,やがて彼女の独占欲と嫉妬深さに辟易。そこで別れを切り出したのだが,クルマは成層圏に放り出され部屋にはサメが投げ込まれる始末。
バカ映画,B級コメディと言えばその通りだが,ここまできっちりB級なのもめずらしい。ラブ・コメディとしてありがちなラストにはちと異論もあるが(ネタバレなので書けないが■▽○が☆☆になってみたら▼●◇と同じくらい◎◎だった,というオチのほうが良かったと思う),まぁまぁ楽しい98分。